
立教大学では、2004年4月にWEBメールシステムを導入した。今回の更新経緯について、木田氏(立教大学メディアセンター長 理学部数学科教授)は次のように話す。
『これまで利用していたWEBメールシステムは、授業などで70名ほどが一斉に利用すると、アクセスの負荷に耐えられず、授業になりませんでした。かといって、高性能な商用WEBメールシステムは、ライセンスコストが障害になっていました。そのような
状況の時に、Google Apps(Gmail)のサービスが開始され、導入の検討をはじめたのです。確かに、広告表示の問題や、PC教室での一斉利用などの不安はありましたが、日本大学様の採用と運用状況が先例となり、学内での理解を得られました。』
立教大学がGmailを採用したポイントについて、宮内氏(立教大学メディアセンター長)は次のように分析する。
『大学の共用PC環境でも自宅や学外のPC環境でも同様に利用できるWEBメールシステムは、学生が最もよく利用するITCツールです。また、学生時代に習得した技術は卒業後も活かせることが大切です。従って、採用にあたっては、その可用性や利便性、先進性はとても重要でした。導入にあたっては、これまで利用してきたメールアドレス(rikkyo.ac.jpドメイン)の継承と、スムーズな移行運用が可能であったことも大きなポイントでした。』
「Rikkyo V−Campus」が新たに導入したメールシステムの構成は、図のようになっている。外部から立教大学向けに送られてきたメールは、すべてスパムフィルターで処理した後で、これまで運用してきたメールサーバーとGmailに送られる。
つまり、利用者はGmailと既存のPOP/IMAP環境を併用して利用できる。その理由について、河村氏(メディアセンター)は次のように説明する。
『利用者にとって、従来のPOP/IMAPメールシステムは慣れ親しんでいるツールなので、急激な変化は、本来の教育・研究活動を阻害してしまう心配がありました。そこで、既存のPOP/IMAP環境を運用しながら、新規メールシステムの構築を実施しました。』
メールシステムの併設に加え、立教大学が重視したポイントが、メールアドレスの共用にあった。既存のメールアドレスをGmailでも利用するために、サイオステクノロジーのシステムを導入した。
メールシステム全体の設計・構築を担当したアルファコンピュータ瀬間氏は次のように振り返る。
『既存システムを生かしながら、全く新しいメールシステムを導入するために、立教大学様、サイオステクノロジー様と何度も打ち合せをさせていただき、意見を出し合ってシステムのアウトラインを詰めていきました。その打ち合わせにかかった時間は、過去のどの案件よりも中身の濃い内容になりました。今回のV−Campusの構築のお手伝いをさせていただいた中で、サイオステクノロジー様のGmailの認証システムは、新しい仕組みとして今後大学のメールシステムの基盤テクノロジーの一つになると思います。』
学生のみならず教職員も含めた全ユーザーにGmail提供とはいいつつも、立教大学では従来のPOP/IMAPメールサーバーも平行に運用した。利用者にとって、従来のPOP/IMAPメールシステムは慣れ親しんでいるツールだった。そのため、サイオステクノロジーの技術を採用し、既存のPOP/IMAP環境のアカウントとパスワードも移行しながら、新規メールシステム構築を実施した。
2008年度から利用が開始された新「Rikkyo V−Campus」は、ブレードサーバー上のVMWareによるサーバ仮想化技術を採用し、WEBサーバ、WebDAVサーバ、授業支援システムサーバなどの各種サーバすべてその上に構築している。また、最新設備を誇るデータセンタへの移転によりシステムやデータの拡張性と安全性も確保した。この新「Rikkyo V−Campus」の設計、構築に当たってもアルファコンピュータとサイオステクノロジーが中心となり導入からサポートまでのトータルサービスの提供を行っている。
『インターネット黎明期より慣れ親しんできたメールアドレスは、Gmailでも継承したかったので、それを実現できたことは満足です。また、最新のインターネットの技術を駆使して提供されるGmailを利用することで、学生たちは先進テクノロジーに触れることが
できます。技術革新の激しいICT分野において、4年サイクルでの更新では、システムの陳腐化が避けられませんでした。しかし、Gmailの採用により、学生は、日々進化する世界を体験できるのです。こうした教育効果は、かなり高いと期待しています』と河村氏は、新システムへの評価や期待について語った。
不安だった授業での一斉利用にも、Gmailとサイオステクノロジーによる新認証システムの処理性能は十分に追従しているという。
